Q:オーリーの高さをだすには どんな練習がいいですか?おすすめなどあれば、教えてください。

kuryuさんよりの質問

まず、オーリーの大きな要素は、跳躍力(高さ)と技術(ボードコントロール)の二大要素に分ける事ができると思います。
今回は高さを出したいとの事ですが、極端な結論を言うと初心者でも最低限度の技術と跳躍力さえあればオーリーの高さはそこそこ出す事が出来ます。
また逆を言うと、上級者で技術力があっても跳躍力の無い人はある程度の高さで限界に達してしまいます。
どういう事かというと、例えば、スケーターの間では一般的な目安となるパイロン(工事現場などにある赤いカラーコーン)の高さは、初心者でも跳躍力に自信のある人なら超える事が可能な高さです。
また中級者以上であれば大半の人が越える事のできる高さです。
ですが俺は20年近いSK8歴があるに関わらず、パイロンを越えるのはどうにかぎりぎり、といった感じで平均値以下の高さです。
(注:体格差を考慮に入れていないので平均値以下と書いていますが、身長が162cmと低いので同等の体格の人と比べ、比率で考えた場合は平均程度です。)
では、高さは出せないが技術が有る、とはどういう事かというと、仮に、初心者で跳躍力があり、路面状況の良い、環境が一定の公園内等のローカルスポット(本当の意味のストリートスケートでは無い)だと100cmの高さを出せる人がいたとします。
次に、上級者で技術はあるが跳躍力が無く、同じローカルスポットだと50cmの高さしか出せない人がいるとします。
ですがローカルスポットではなく、街の中の常に路面状況や環境が変化する中での本当の意味のストリートスケートに行くと、100cmもの高さを出せていた初心者は、たった10cm程度の段差でも技術が無い為、オーリーを使いこなせず引っかかってこけてしまいますが、50cmしか飛べなかった上級者は引っかかる事無くスムースにどんどん流して行く事が出来る、となります。
それら、跳躍力と技術力の二要素の違いを理解した上で、とりあえず跳躍力を高めるには何をすれば良いかというと、一番大事な要素は主に前太ももの筋肉があれば良い様です。
これは、俺自身もかなりオーリーの事を研究し、SK8の全国大会に行った時など国内の有名プロの中でもオーリーの高さに定評のある人達の筋肉の付き方を見せてもらった結果ですので、およそ間違いないと考えて良いでしょう。
なのでパッと見た目は痩せていて、あまり筋肉が無さそうに見えるのにオーリーが高い人がいれば前太ももを見せてもらうと、そこだけは人並み以上の筋肉がついているので、そのギャップにビックリします。
(前太ももを効率的に鍛える方法は人それぞれ自分に合ったやり方があると思うので各自で調べてみて下さい。)
そんな中、俺自身は人並み以上に練習しているに関わらず、ふくらはぎの筋肉は人並み以上にあっても、何故か前太ももの筋肉が付きにくい為、さらに自分なりに研究しました。
その結果、人それぞれの姿勢や骨格によって筋肉の付き方に違いが出るという事を発見しました。
例えば俺の場合は、O脚(おうきゃく)の上、過去に骨折した足首部分の柔軟性も無い為に、姿勢や骨格の良い人と同じ運動量でも前太ももに対して負荷がかかりにくく、その為に前太ももの筋肉はつきにくい様です。
そう考えると、生まれつき前太ももに負荷がかかりやすい姿勢や骨格の人達は、“日常生活で立っている間や歩いている間の数時間×365日”常に自身の体重で必然的に前太ももの筋肉を鍛え続けている事になる為、生まれつき姿勢や骨格が違う俺がそれを埋めるだけの時間を筋トレに費やそうと思うとかなり非効率的で時間の無駄も多いのではと考えています。
そう考えると跳躍力の高さは先天的な物に左右されやすく努力で埋めにくい場合もありますが、技術力は自分自身の努力量に比例して伸ばす事が出来るのではないでしょうか。
俺はそう考えるようになってからは、オーリーの高さを追求するよりもオーリーの技術を意識したSK8の方が自分には向いていると考え取り組んでいます。
次に、跳躍力があっても技術が無い為にきれいに飛べない場合は、人によってあらゆるパターンが無限にある為、一口でどうしたら良いと言う事は言えません。
ですが、大半の場合は、前足の重要性を無視してしまい、力まかせにテールをキックしてしまい、オーリー足(前足の靴の小指の付け根辺りのグリップ)がちゃんと出来ていない為にテールが下がったままでちゃんと飛べない場合が多いようです。
それらの人の練習方法としては、何らかの手すり等につかまった状態で、腕に体重を乗せ頼る感じで、テールは力まかせにキックせずに、あえて軽めにキックした後、前足のグリップをしっかりと技術でコントロールする事を意識して前足を使う練習をしてみてください。
また、跳躍の為の筋肉量がある程度の限界点に至っても、足首、膝、股関節、腰、等の柔軟性を増す事により上半身の跳躍位置が同様でも、板の位置自体はさらに上げる事が出来る可能性は残っています。 なので筋肉のつきにくい体質の人等は、こちらの方が効率的かもしれません。

動画を見て貰うと分かりますが、同等の跳躍力でオーリーして地面からの股下距離と前足を垂直方向に上げる感じは同様でも、前足を跳躍の最頂点少し手前からデッキテープへのグリップを効かせつつ前方に軽く突き出す事によりテールがちゃんと上がってきます。
その次は平均値以下の高さしか出せない俺が跳躍力の無さを技術でカバーしている分かりやすい例です。
見て貰うと分かる様に高さは30cm〜40cm程度しか飛んでいないに関わらずフラットでフロントサイド360オーリーをしています。
通常このトリックはある程度の上級者、もしくは中級者でも跳躍力のある人でないと難しいとされている技ですが、俺の場合は跳躍力に頼らず、完全に技術で回っています。
よく見ると分かりますが、前足(オーリー足)を巧みに使っているので、最初から最後まで前足は板から離れていません。

という事で、オーリーは高ければ高い方が良いでしょうが、跳躍力だけに頼るのではなく、それと同時に技術も意識した練習をすると更なる上達を目指せると思います。
がんばって下さい!!

チョッパー

オーリーの高さについて(1.3MB)


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