現在、数多くのブランドや企業がありますが、大半のブランドがお金儲けを優先順位の一番に置き、資本主義をベースにした自由競争の名のもと、いかに効率的に無駄をより省き、お金を儲けられるかを必死に創意工夫、また試行錯誤しています。
別にお金儲けを優先順位に置く事は、価値観の相違でしか無く、その企業競争の勝敗の多くは努力量に比例する要素が多いため他人がそれを否定する事こそ価値観の押し付けでしかなくナンセンスだと思います。
ですがWHATEVERとしては、その大半のブランドや企業の、そのお金儲けの方法、内容が卑怯でインチキまみれで腑に落ちない事だらけになってしまっている現実があると思っています。
何がインチキかと言うと、例えば有名芸能人等にお金を払ってそのブランドの服を着てテレビや雑誌で宣伝してもらう、と言う事はよくある事だし見ている側もあくまでも広告だという風に捉えている為、何の問題も無いと思いますが、実はそうではない場合もあります。 テレビ、ファッション雑誌関わらず、さもやらせ無しのインタビュー等をしている風に見え例えば質問者が「休みの日などによく着ているお気に入りのブランドはなんですか?」と言うような質問をしたとします。
その質問に答える人気タレントの回答が「****って言うブランドが超大好きなんですよね、シルエットとか格好いいし、素材もいいし、新作でたら全部ゲットしていますよ〜!!」なんて言っていたとする、だが実はシナリオどうりに台詞をしゃべらされているだけで当の本人は心の中では格好いいともなんとも思っていない、場合によってはさらに「こんなダサいのを着さされるのいやだな〜」とか心の中では思っていたりするが特にそのタレントが若い子だったりすると自己防衛の手段が解からなかったりもするのだろうが、言われるがまま仕事として割り切ってしまう。
その台詞を信用し騙されて買わされているファンの気持ちなんて二束三文どころか存在しないが如く、完全無視の発想でブランドや企業、事務所の方針には逆らえず、仕事と割り切って嘘八百ぶっこいていると言う事が多々ある。
確かにそんな質の低い事を平然とやってのける様なタレントのファンだと言う奴も自己責任を考えた時どうかと思うし、「はじめに」でも言っているように、倫理観と言う、個人の教育・環境・感情に依存する所の多い論的根拠の無いに等しいナンセンスな物を引き合いに出して善悪を主観で述べても意味ない事を分かった事も含めた上で、「CONCEPT」にあるような情報という物の性質・本質を理解すらしていない防衛手段の乏しいであろう若者を騙すというのは、「WHATEVER」としては理解しがたい。
そんな人の気持ちを無視した金儲け一番の考え方のブランドは、はっきりいってしまうと最強にダサくて格好悪いと主観的に断言します。 またそんなレベルの低い情報操作をしてまで金儲けが優先順位の一番だ、という精神を持ったブランドの作る物は、上っ面や見た目は一見かっこう良いかの様に見えますが、ここで考えて欲しいのは芸能人というツール(道具)を上手に使って人を騙す技術ばかり向上させる、と言うのと、実は内容は空っぽのハリボテデザインばかりでも上っ面だけ一見カッコ良さそうなデザインを使って人を騙すのは同じ事、例えると子供の時にチョコレート等の小さいお菓子よりも、いかに得したかと誤解させる為に質を下げてでもより膨らし粉を大量に使った原価の安いスナック菓子の方が多くて得した気分になる幼稚園児を騙すのと同じ。
勿論筋を通して情報公開し、例えば「このチョコレートは、量より質、このスナック菓子は質より量があり、両方ともかかった原価と手間隙は同じなのでそれぞれの価値観で好きな方をえらんでくれ!!」と本当の意味の自由選択できる状況を作ってくれる良心的な企業は根本的にこの限りではないし理想だが、そんな事してしまうと、「良心的な事しても売り上げに繋がらないならコストの無駄」だと考える同業者との企業競争で敗北してしまい倒産してしまう可能性がとても高くなるという事実がある。
まさにこれこそが資本主義のカルマで、もとは良心的な気持ちを持っていても、知らない間に自分もそのシステムに組み込まれてしまっている事に気づいた頃には、大人になっていて家族を養っていくという社会的責任の中しらずしらずのうちに自分に都合のいい言い訳をきかせ、妥協なしでは生きていけない体質になってしまっている。
そうなると良心がどうのこうのと言っていられない現実に直面せざる得ない中、半強制的に企業競争に参加させられている企業もあるであろう事は、容易に想像できるし、実際日本の経済発展はその事実から成り立っていると思う。
だからと言って物質的な物の発展だけで満足していて世界的に見ても経済の水準と比較したときの文化水準の低さが露骨に感じられる今のままの日本のレベルではグローバルスタンダードが叫ばれる昨今、このままでは次第にとりのこされていくのが目に見える気もする。
だからと言って他人に期待する他力本願な生き方なんて格好悪いし、したくないので長い物にも巻かれず平均的なブランドの物の作りかたや宣伝の仕方その他全てのありきたりなやり方に流される事なくWHATEVERでは独自の見解と信念を持ち取り組んでいます。
今日、たまたまテレビを見ていると小泉首相が、郵政民営化が否決されたというニュースの中で4〜5百年前だったかガリレオ・ガリレイが裁判で地動説が間違いだと言う判決を受け「それでも地球は動いている」と言う台詞を口にした事を例に出し自分自身もまさにそんな状況にいると言うような事を言っていました(郵政民営化の事自体詳しく知らないし小泉首相の見解も知らないので否定や肯定する意味ではありません)。
常に時代の最先端を切り開こうとする行為は未知の概念への挑戦で、未知の概念という事は、与えられた情報の中でしか物事を判断できず、物創りの発想を持ち得ていないシステムに生かされているだけの平均的発想の人には認知できるわけがない、という事が成り立ちます。 最先端というのは、最低限度の予備情報等を整え、常に既存のレールの存在を理解した条件の上で、あえてそのレールを利用するにとどまらず、自分自身でレールを造り、さらに先へ進もうとする行為と同じ、誰かが作ったレールの上を歩く事しかしない平均的絶対数を占める常識人の発想=多数派の発想という構図を考えた時に、真の進歩への理解者は常にマイノリティであるというのは世の常で不変の本質であると言う事が論的に立証できる。
逆に言うと本当の最先端と言うのは、常に少数派の中からしか生まれにくい可能性が非常に高いという事になる。
上記の事を総合的に判断した時、良く売れている需要層の多いもの程、平均的民意に沿った作り=最先端にはなりえない=そんな古臭い時代遅れのものに必要以上の高いお金を出す=無意味な行為、だと俺は考えている。
そういう事からWHATEVERの中では精神性との調和を含めた真の発展を目指した物づくりを目指さないデザインなんて意味が無いし、そういう事を伝えるべくどうにか出来ない物かと常に試行錯誤している。
まさに流行(レール)に乗る事しか出来ず、上っ面の見た目だけのかっこよさでしか物の価値の分からない、質の低いキャパシティしか持ち合わせていない人の目は誤魔化せても、精神性の格好良さも含めた真の意味のファッションリーダーと言われるような人の目は節穴じゃないと信じています。
そういう事も含め「WHATEVER」の物は、いまいち見た目がパッとしない物も多いですが、そういう物の大半は何らかの意図された物があり、売れにくい事も客観的に理解した上で、先ほど述べた様に、正しい事は正しい、見た目だけしか意識していないレベルの物は所詮それまで止まり、最先端は常に理解されなくて当然と言う発想を持って創っています。
勿論、そんな最先端の発想が何の努力もせず得れる訳なんてなく、これらを理解する為には、それなりの努力が必要だと思いますが、言っている事が分かる人はがんばって下さい。
また、「たかが服を着るのにそんな理屈なんて必要ない、良い物は、良い」という人もいますが、勿論そんな当たり前の事、WHATEVERもとっくの昔にとおり超えて来てさらなる努力により見出した現在の発想で、また努力もなしに「たかが服」や「良い物は、良い」の一言で片付けてしまう人の大半は、金だけ出していればかっこいい物が買えるという「CONCEPT」でも述べた様な、精神と物質という性質の違いすら理解出来ていない人なのではないでしょうか。
また逆に言うとお金なんてなくても本当の格好良さは、努力すれば身に付ける事が出来る、と言う事にもなります。
勿論そんな所に価値を見出してないのならその人の勝手ですが、主観ではなく論的事実としての優劣を言うならば、服というのは、文化的発展や歴史の見地から、原始の時代に防寒等の身を守るという事から始まり数百、数千年という歴史の中で様々な先駆者たちの努力により紆余曲折を経て現代に至り、「自己のアイデンティティを言語等を用いずに伝える事の出来るまさにデジタル的合理化ともいえるコミュニケーションツール」という2005年現在の服の文化的利用価値を理解していない、時代遅れな発想でしかありません。
ですがここで何を言った所で結局は自分次第だというのは歴史の事実からも明白だし理解できるのも最先端のマイノリティになってしまうのは先に述べたとおり、「本当のかっこよさ」に興味がある人は、是非努力してみてください。
絶対に見えてくる物はあります。
最後に勘違いして欲しくないのは、理屈が得意、不得意は関係なく、「良い物は、良い」という事が存在するのは事実だし、俺の周りにはそんな人がたくさんいます。
そんな中なぜ俺がこんな理屈っぽい事を言うかと言うと、お金にしか興味ない人達の手によって、その抽象性によりインチキや誤魔化しがあまりにもまかり通りすぎている世の中に腹を立てているからでしかなく、実際、手間隙や内容またクリエイティビィは、WHATEVERや同じ様に筋の通ったブランドの数分の一、価格は数倍といったブランドの方が数十、数百倍売れている事実等があり、そんな世の中を黙って見過ごすような気はなく、そんな中、たまたま理屈で物を言う事が出来た為、WHATEVERも含め近い価値観をもった人達やブランドの代弁が出来ればと思っての事です。(みんなはそんな事求めていないかもしれませんが(笑))
と言う事で、これを読んで何か感じた人は、是非今までの自分の思っていた格好良さとは何なのかを一度じっくり考えてみるのもいいかもしれません。

中村泰一郎